2013年05月04日

市立小の施設開放プール数、73から34へ 監視業務費高騰で−川崎

ことしの夏休み期間中、川崎市立小学校で施設開放されるプール数が、前年度の73校から34校に激減する見通しとなった。監視員を配置する費用の高騰が予想されるためだ。求めていた予算の増額も実現せず、市教育委員会は「楽しみにしていた児童たちには申し訳ない」としている。

プールの監視業務は、市教委が専門業者へ委託。実際に現場に立つ監視員の募集は業者が担うが、水泳の技能を有し救命救急などの講習受講者であれば務めることができた。

しかし、2011年7月に大阪府泉南市の小学校プールで起きた死亡事故で状況が一変した。警察庁は昨年6月の通知で、監視業務を有償で委託する場合は委託先を警備業法上の認定業者に限るとした。監視員は同法上の警備員に当たると解され、専門の研修が不可欠になった。

研修の実施は、業者にとって人件費増を意味し、新たな負担となる。委託費に跳ね返ることは必至で、市教委は委託費の倍増を予測。予算の増額も求めたが、厳しい財政状況から前年度並みに抑えられた。

対応を協議した市教委は、
(1)開放学校数を半減
(2)学校数は据え置き開放日を週4日から2日に半減−の2通りを検討。
ただ、(2)案だと週2日の開放日に台風が直撃することもあるとして、(1)案に落ち着いた。開放対象のプールは例年、小学校区ごとに寄せられる要望を基に決定。今夏も市内全113小学校のうち67校が開放を希望したが、抽選で34校に絞られた。

現行態勢では、開放されたプールは当該校に通う児童しか利用できない。不特定多数の利用を認めると公衆衛生法上の基準などが変わるためという。

市教委は「プールを楽しみにしていた子どもたちには申し訳ないが、苦渋の決断だった」と理解を求めている。利用を他校の生徒にまで広げるかどうかは、来年度以降の検討課題としている。

カナロコ 2013年5月3日

keibihikaku at 06:51│ 費用、コスト 
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